山本拓馬のPitching Note

落ちこぼれ野球選手が144キロの軟式野球日本代表になる為に取り組んだこと等を発信していきます。

【ショートアーム】最近流行り?のショートアームとは

こんにちは

山本です。

 

今回は今SNSなどで話題となっている

「ショートアーム」

についてお話しさせていただければと思います。

 

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ダルビッシュ有投手


ショートアームとは、投手のテイクバック時に腕を伸ばさずに曲げたまま行うものを指すことが多く

ダルビッシュ投手や大谷翔平投手がこのようなテイクバックになっている事で話題となっております。

 

MLBでもシェーンビーバー投手・トレバーバウアー投手など

数多くの名投手がこのようなテイクバックになっている事も相まって

「ショートアームが良いのではないか?」という考えが広まってきています。


 

ショートアームのメリットとは?

 

ではそもそもショートアームにするメリットは何なのか?

という点についてお話しをさせていただくと

 

パワーのロスが減らしやすくなる

コントロールが安定しやすくなる

肩肘への負担が軽減しやすくなる

 

これは、正しくショートアームのテイクバックができた時に得られるメリットではないかと私は考えております。

 

パワーのロスが減らしやすくなる

何故ショートアームがパワーのロスを減らしやすいのかと言うと

通常の腕を引くテイクバックだと、トップを作るまでに背中側に引きすぎてしまい、本来ホーム方向に真っすぐ力を伝えていきたいのに対して、横方向の力が入りやすくなってしまい、力のロスに繋がります。

(もちろん、上記が問題ない大きなテイクバックもあります。)

 

その分ショートアームは体の動きに沿ってトップまでコンパクトに持ってくる為

力の方向に対するロスが少なくなりやすいです。

 

コントロールが安定しやすくなる

上記で書いた様にロスが少なくなるのと同時に、体のブレが少なくなる為にコントロールのブレも少なくなります。

(狙う方向と力の方向が一致しやすくなる為)

ここが大きなテイクバックだと、前述したように力の方向が一致しなくなる可能性があり、そうなるとコントロールの乱れに繋がりやすくなります。

 

肩肘への負担が軽減しやすくなる

ショートアームにすることでトップが作りやすくなり、パワーのロスが減る分

無駄な力で投げたり、トップが遅れて肩肘に過剰に負担がかかる事が防げ、負担が軽減しやすいのではないかと考えられます。

 

 

正しくショートアームを行う事で上記のようなメリットを得られる可能性がある為、ショートアームはある意味で理に適っていると考えられるのではないでしょうか?

 

ただし、これは正しくできた上であり、間違ったやり方で行ってしまうと

色々とデメリットが発生すると考えられます。

 

ショートアームのデメリットとは?

では逆にどのようなデメリットが考えられるのかという事をお話しさせていただきます。

私が考えるショートアームのデメリットとは

 

手投げになりやすくなる

球に勢いがつきにくくなる

という事では無いかと考えられます。

 

手投げになりやすくなる

なぜショートアームをする事で手投げになりやすいと考えられるかと言うと

テイクバックをコンパクトにしようとするあまり「見た目だけ」小さくしてしまう事により

腕の加速距離が十分に取れず、野手のショートスローのように手先だけで投げてしまう形になってしまう可能性があるからです。

 

そもそも、腕と肩甲骨の位置関係に関しては、ラインが一致している状態が望ましいとされており

ショートアームにおいても基本的にこのポジションは保ったうえで行うべきと考えられます。

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肩甲骨と腕が一致している状態

上記のように「肩甲骨のライン上に腕が来ている状態」であり

このラインが一致していれば、背中側に腕が入るのもそこまで悪ではないと考えられます。

 

 

逆に、このラインが一致していないとどうなるのかと言うと下記のような状態です。

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肩甲骨と腕が一致していない状態

肩甲骨のラインより前だと肩甲骨と腕の連動が損なわれるので

いわゆる手投げになりやすくなります。

ショートアームと言って手だけをコンパクトにしようとすると、こうなるリスクがあります。

 

逆に肩甲骨より後ろに引いてしまうと、スムーズに腕が上がってきづらくなり

トップが遅れる状態になりやすくなります。

「腕を背中側に引くな」と良く言われるのはこれが理由です。

肩甲骨と腕のラインさえ一致していれば、背中側に腕が入るのはそこまで問題ないのではと考えられます。

 

少し脱線しましたが

この「肩甲骨と腕のライン」を作った状態でショートアームを作らないと

手投げや投げ急ぎが起こってしまうかもしれません。

 

球に勢いがつきにくくなる

これも先ほどのラインの話になってくるのですが

腕を振る時には「トップからの腕の加速距離」が重要になってきます。

加速距離が長い程速く強い球が投げやすくなり

短くなれば速く強い球は投げにくいとされています。

 

これがショートアームを見た目だけでやってしまい

先ほどの「肩甲骨と腕のラインが一致していない状態」

で肩甲骨より前に腕がきてしまうと、リリースまでに十分な加速距離が稼ぎづらくなってしまいます。

(もちろん全員が確実にそうなる!という訳ではありませんが)

 

 

ざっくりデメリットを書きましたが、両方とも

「見た目だけ小さくしよう」

とした時に起こりうるのではないかと考えられます。

 


 

ショートアームは良いの?悪いの?

結論から言うと、合う合わないはあると思うので「必ずしも良い、必ずしも悪い」

というものではないかと思います。

大事なのは、見た目だけマネをするのではなく

メリットデメリットをしっかり把握した上で取り組む事が大事ではないかと思います。

 

ショートアームって何だろう?

ショートアームっていいのかな?

試してみたいけどどういう物なの?

と悩んでいる方の参考になれば幸いです。

 

それではまた、よろしくお願いします。